その1
その2
その3
その4
その5
とうとう四国に入り、道後温泉に入り、四国カルストを抜けた男二匹。
誰もいない三月のキャンプ場で極寒の夜を過ごす。
しかし夜が明けるとそこには春の景色が・・・。
旅はいよいよ佳境に入る。
広島・四国ツーリング
「四万十川篇」
一夜明かしたキャンプ場を後にして走り出す。
昨日入ったR439を四万十方面へ走っていく。R439は四国の高知の山奥、四万十の上流付近を抜ける国道だ。
国道といってもまだまだ整備されてるとは言い難い。
二車線の広くスピードの出る道から、コーナー一つ抜けると車一台通るのがやっとな、林道のような道になったりする。極端な緩急が続く。
車はほとんど走っていない。
昨日、ガソリンを入れそこねてリザーブタンクに達する。
昨日とは違う暖かい日差しが山の中を温める。
この光、この景色は昨日とは全く別の景色だ。
しかし、昨日の景色も一昨日とは違い、今日の景色は明日には変わるものなのだろうけど。
数十km走ったところで国道197が交差する場所にでる。
ようやくスタンドでガソリンを入れる

ツーリングスタイルなのでスタンドの若い店員さんが地元訛りで話しかけてくる。
気温や天気、バイクの話しがほとんどだ。セルフスタンドもいいが、この世間話もツーリングの楽しみの一つだと思う。
バイクは速く移動してしまう。
通る街すべてに足を下ろす訳ではない。一つの地方を誰とも話さずに通り過ぎてしまうことも多い。
だからこそ何気ない会話も楽しみになる。
世間話が楽しく無くなるほどになったらツーリングなんて辞めるだろう。
会計を済ましエンジンをかけ、ギアを入れる前に軽く手を上げ挨拶する。
また走り出す。
国道439はさらに山道になる。
いよいよ四万十の流れに出会うのだ。
山の中の国道を走り続けると小さな川が横に流れている事に気付く。
水は澄み、いかにも清流といった感じだ。
進めば進むほど川は大きく広くなってゆく。
川の名前は確か北川川とか・・・。
山は深く木が茂り川は見えたり見えなかったり。
緑色のトンネルを抜けた場所に橋が掛かっていた。
少し開けた景色が嬉しくてバイクを停止させて、川を見ると・・・

美しい流れ、光、岩、緑そして落ちてしまった橋らしきものが見えた。
橋の橋脚だけが残り、まるで墓石のような形をしている。
美しい景色だがこの景色だけを見続けているわけにはいかない。先は長い。
地図を確認しながら走っていると道からはずれた場所に温泉があることが判明

入ってみたいなんて言って探してみたまではいいが、発見できたのは人気の無い公民館のような浴場だけ。
流石に入る気も失せた。
大体、今日中に四国から出る手はずを整えなければいけない日程なのだ。
先は長いし、時間は短い(このときは時間なぞどうでもいい気分だったが)
しかも本線に戻るときに私のミスでコースオフ。
なんせ国道も林道も見分けがつかないような道路なのだ。
無事に本線に戻れたが、10分ぐらい走るまで気が付かなかった。
国道に戻り、いよいよ四万十川の本流に合流しようという時、道路工事が増えてきた。
細い国道一本しかない道なので、保守点検整備を頻繁に行うのだろう。
いくつかの片側交互通行(元から一車線しかないが)とトラック・重機をくぐり抜けてその先にあったのは・・・
通行止め!
時間別通行止め!
道路が狭すぎて工事をするにも完全通行止めにしなければならないのだろう。
工事のおっさんから三十分ほど待つように言われる。
バイクを降りてaturouと顔を見合わせる。
こんな事ははじめてだ。もう笑うしかない。
天気もいいし景色もいいしここで小休止である。
ガードレールの無い道路の端から足を放り出して、川を眺めながら一服する

もともと交通量の少ない道なので、後続車両も多くはない。
工事関係者の車両と、この道には大きすぎる木材運搬トレーラーだけだ。
道に寝転がったり、地図やガイドブックを見ながら時間を過ごした。
風で少し冷えた体が熱を取り戻したころ、通行止めが解除される。
再スタートだ。
脇に流れる川が少しづつ広くなってくる。
四万十川との合流が近い。
今まで走ってきた国道439は国道381と交差する。
国道439沿いに流れていた川は、国道381の脇を流れる四万十川に合流する。
四万十川沿いを走るために国道381に入る。
今までより大きな川が側を流れる。
川は広いが、水は澄んでいる。
道路も二車線になり快適な舗装が続いている。
ゆっくりと曲がり、流れる川は前を見ながら運転していても目に入ってくる。
気分は高まりバイクに乗りながら、大きく「伸び」をする。
開放感と興奮

景色が綺麗なのはもちろん、それ以上に気持ちいいのだ!
自然とアクセルが開いてしまうが、わき見をしなくても四万十川が見える。
流れに沿ってゆったり進むと、川に低い橋が掛かっているのを発見する。
橋まで降りていく道に入ると・・・。
四万十川名物の沈下橋である。
川が増水したときに橋が流されないように抵抗となる欄干が無い!
本当に無いです。
バイクを停めてある場所は退避場所で少し広いのですが、車で通るときは橋の向こう側を見てから渡るべきだろう。
狭い。
沈下橋は四万十川に全部で47あるそうです。
川は浅く見えますが、川に近づいてみると結構深いです(1.5〜2mくらい?)
水があまりにも澄んでいるために、浅く見えてしまうのです。
この川でつりをしたら、魚から丸見えです。
というか魚が泳いでいるのがあんまり見えません、丸見えなので警戒心が強いのでしょうか。

本当に綺麗だ・・・。
この清流とともに海まで流れていってしまいたい・・・。
流れるわけには行かないが、川沿いを走ることは出来るのです。
国道に戻り流れに沿って走る。
国道381は道なりにすすむと国道441につながる。
道なりに進めばずっと四万十川沿いを走れるようだ。
山からずっと下ってきたので、この辺になると車が多く感じる。
地元の方や観光客や自転車ツーリング。
バイクはまったく居ないので少し誇らしい。
走っているとまたまた道が狭くなる。
交通量もそこそこなので神経を使うが、それ以上にエネルギーが沸きあふれてきて疲労を感じない。
昨晩はろくに眠れなかったはずだが・・・。
道路が平坦になり、いよいよクライマックスかと思っていた時、「佐田沈下橋」という看板が見えた。
いきなり停まるのもなんだし、沈下橋はもういいかな(47本もあるし)と思い一旦スルー。
しかし、気になったので道路の広い部分に停車して、aturouと相談。
マップを見ると「河口に一番近い沈下橋」「絶対オススメ」的な事が書いてある。
折角だし見るべきだろう!という結論に達する。
結論・・・というか0.1秒で即決だった気がする。
たまたま停まった待避所だったが田舎の定番、無人販売所が存在していた。
すでに昼時、腹の足しにとaturouがオレンジ色のネットに入ったかんきつ類を買った。
確か「いよかん」だったかと。
五個〜六個ぐらい入ってなんと100円!
今日か昨日もいだものらしく、剥かずともネットに入った状態で品のいい香水のような香りがする。
いよかんを私のパニアケースにつめて、佐田沈下橋へ。
佐田沈下橋は・・・
来て正解でしょう!
広い川幅に大き目の沈下橋。
緩やかな流れ、暖かで力強い日差し。
両岸には菜の花・・・。
あっ向こうから車が来た
佐田沈下橋は国道から少しそれた場所にあるのですが、行く価値は十分だと思います。
この橋は他の沈下橋に比べて広いのですが、車を停めて写真をとるのは無理でしょう。
近くの駐車場に停めるべきでしょう。
バイクだと余裕です。観光シーズンは迷惑かもしれませんが。
すぐ近くにある駐車場でさっきのいよかんを出して剥こうとすると・・・
に指を突き立てただけで果汁が(皮汁?)が霧のように飛び散る。
外にもかかわらず良い香りが辺りに広がる。
香水のようだ。
肝心の中身もこれまた・・・

かむと凄い量の果汁が流れ出す!
食べ物というより水分補給に近い。
手に汁がついてもまったく気にならない。
四国ならではの美味であった・・・。
トイレで手を洗い佐田沈下橋を後にする。
いよいよ四万十川も終わり。
相変わらず細い道を通りながら、ここまでバイクで来れた喜びを感じる。
車ではここまでダイレクトに四万十川を味わう事が出来なかっただろう

正直、道も狭いし運転しにくいだろう。狭い場所では停車するのは困難だ。
それ以上に視点が違ってしまうだろう。
バイクがだけが良い・・・車のほうが・・・バイクに乗らない人にはわからない・・・
とか言う話じゃなくて、純粋に四万十川はバイクのほうが楽かも知れない。
車には車の利点があるのだろうが、ここでは良さが減るのではないのだろうか。
正直、バイクにもそういう点はあるが・・・(冬の高速道路とか)
バイクでしか言った事の無い場所に車で行くのも楽しいし・・・。
そんなことを考えていたらいつの間にか四万十の街に着いていた。
四万十の街は・・・まあ普通の街である。
幹線道路にはコンビニ、ファミレス、ショッピングセンター、ファーストフード、交通量も多い。
しかし、ここまで来ても四万十川は澄んでいる。清流のまま海にそそぐ。
日本三大清流の一つと言われるだけはある。
山や全体の環境も清流を生み出す要員になっているだろうし、住人達が気をつけている事もあるのだろう。
もちろん沈下橋が掛かってるだけあって、暴れ狂うこともあるのだろう。
しかし、四万十は澄んでいる。
さすが「最後の清流」
四万十が「最後」の清流と呼ばれることは悲しい事かも知れない。
腹は減ったし金はないしで、昼食をとったのは某Mの字のファーストフード店。
店内でこれからのルートを相談する。
日程と時間の関係から最低でも今日中に香川まで行かなければならない事が判明。
高速はやたらと高いので却下。
最短のルートで香川まで向かってもかなりの距離がある。
すでに正午を過ぎている。
しかし行く
とりあえず四万十から高知まで行かないと行けない。
先を急ぎ出発。
ほとんど片側一車線の国道56を延々と走しる。
この辺りであることに気が付いた

広島〜四国と走ってきて信号の度に気になっていた事があった。
やたらと黄色点滅信号が多いのだ。
そこら辺の国道の道路が黄色点滅だらけである
そこを徐行するわけでなく普通に車が走る。
青信号の変わりに黄色点滅なのだ。
一体なぜだろう?
相変わらず一車線である信号のたびに前に出たりするのだが・・・。
たまに追い越しかけたりするがそれを連続するのはSR400にはキツイし乗り手に負担がかかる。
まあ私の体力もかなりキテいたし。
すでに体力がリザーブ状態である。
四万十までは精紳が生き生きしていたので何とかなったが、この国道はまったく・・・。
高知の手前、土佐の辺りのコンビニで小休止。
バイクを降りた瞬間に足元がフラつく。
歩いても足がしっかり地面を捉えてない感じだ。フワフワする。
ようやく高知に到着。想像していたよりも大きな街だ。
いきなり気温が高くなった気がした。というか暑かった。
生えてる植物が・・・南国だ。
観光する余裕無くバァーっと通り過ぎる。
日本三大がっかり名所と呼ばれる「はりまや橋」を見てみたい気もするが・・(笑)
国道32を南国市にを通り過ぎようとするも、若干渋滞

気温も高く水温が跳ね上がる。ラジエーターファンも回りっぱなしで焦る。
しかし、ちょっと渋滞をはずれて山中に向かう道になると、トラックだけが走っている。
国道32は香川まで山中を走る国道だ(少し徳島を経由)
南国市から峠道に入る。
車が走っていても、峠の上りに入ればバイクは有利で楽。
パスするポイントも多く快適快速だ。
道も広くテンションが上がるが、日が傾きはじめ気温は下がる。
山のなかで給油したときは、もう夕方の匂いがした。
峠という事もあってスポーツバイクやモタードとすれ違う。
なんだか少し嬉しくなるのはやっぱりバイクが好きだから。
道がいいのでペースは上がるが、日が落ちる前に山を抜けたいという思いがさらに集中力を高める。
徳島の渓谷に大歩危・小歩危なる有名な観光地がある・・・いつか訪れたいものだ(笑)
しかし長い山道だ、こんな延々とワインディングが続くのは珍しい。
高知・徳島・香川に渡って峠とは喜ばしい事だ。
体力少ない身体が無理なくバイクを動かす。
香川への最後の峠にはバイクが素直に動くようになった気がする。
最後の峠を下るとき、辺りは深いオレンジ色に染まり、空は紫がかってきた。
そして峠を走りきり、道の駅へ入った。
私とaturouはまたしてもガッツポーズだ。
とりあえず売店に入るも、売店閉まりかけ。
しかし、大きな売店(地元のスーパーも兼ねている)だったので、時間ギリギリで食料を調達。
今夜は何処でどうなるか分からない。
エネルギー源は確保したい。
疲れきっている私とaturouは迷うことなく甘いもの(カステラとクッキー)を選んだ。
食べ物をパニアケースにしまい、高松を目指す。
すっかり青くなった空の下を走る。やはりうどん屋とため池が目に付く。
途中、琴平山を横目にて通過する。
高松に向かう二車線道路に入り、早くもなく遅くもないペースで走る。
相変わらずうどん屋が目に付く。
いよいよ高松に入ると、道の規模の大きさに驚く。
立体交差にアンダーパスにトンネル。橋脚の近代的デザインに真っ直ぐな駅前通り。
失礼だがもう少しのどかなところだと思っていた。
初めての街は何をするにもとりあえず駅前に行く。
高松駅でaturouとこれからどうするか相談する。
とりあえず本州に帰る方法を考えなければならない。
高速は高いし、少し高松からは離れているので却下。
リーズナブルなフェリーで神戸まで戻ることにする。
しかし今日、香川から出るのか、明日出るのかは決めてなかった。
疲労も限界だし、頭が回らなくなってくる。
こうなるとお互いの思考は伝わらずずれてくる。
不穏な空気をはらみながら、とりあえずフェリー乗り場に運行時間を確認しに行く事にする。
地図が少し古いせいか神戸行きフェリー乗り場がさっぱり分からない

しかも高松はフェリー乗り場だらけで何処へ行けばいいかさっぱり・・。
マップに書いてあるフェリー会社に電話するが「この電話は現在使われておりません」
なくなってる可能性が・・・
道をきいてフェリー乗り場を探すがこの時点で私とaturouの間に微妙な空気が流れる
旅で疲労が溜まると人と人はこんなもんである。
別にどっちが悪いわけでもないのだ・・・
他人と共同生活していたり、誰かと困難な旅に出ることに慣れていると、どっちもどうでも良くなるのだが(笑)
問題が解決・・・いや流れていってしまえばなんて事は無い事なのだが、なんせ疲れている。
その上aturouは帰りの時間に追われている。明日の夜はバイトらしい

そりゃお互いの考えなんて通じません
とりあえずフェリー乗り場は同じで会社が変わっていることが判明した。
フェリー乗り場に着くと、aturouが時間を聞きに行く。
すると、PM8:00の最終便があることが判明!
この時点で8:00十数分前。
車とバイクの積み込みが始まっていた。
バイク乗り場にバイクを置き、ターミナルへ走り切符を買おうとする。
車検証(ナンバー確認)が必要だと聞かされバイクまで猛ダッシュ。
しかし、車検証はシートの下、タンデムシートには荷物の山。
隙間から無理やり手を突っ込み車検証確保!
さっきまでいたバイクや車はすで積み込まれていて、私達のバイクがぽつんと残っていた。
ギリギリで無事にチケット取得。
フェリーにバイクを積み込み一安心。
外洋ではないのでバイクを固定する必要は無いようだ。
道の駅で買ったカステラとクッキーと貴重品を引きずり出し、デッキまで出る階段を上る。
フェリーの機関音が大きくなり出航しようとしていた。
話を聞けば、フェリーの到着時間が遅れていて、趣向が10分ほど伸びたらしい。
もしそれが無かったら乗れなかったかもしれない・・・。
二等船室に入ると、すでに外の景色は動いていた。
フェリー会社(
ジャンボフェリー)のテーマソングが鳴りアナウンスが流れる。
二人のさっきまでの緊張は何処へやら。またもや開放感で笑いが止まらない。
カステラとクッキーで疲れを癒す。
どちらも安物だが疲れを癒す甘味だった。
電気がまぶしい船室だが、あっという間に眠りに落ちた。
神戸・三ノ宮港まで約四時間、再びフェリー会社のアナウンスが流れるまで一度も目を覚まさなかった。
深く最高の眠りだ・・・。
先のことなど何も知らずに・・・。
四国編はここで終了。
神戸編&エンディングへ・・・。
後はただ帰路に着くだけですから。
ホントに帰るだけですから!乞うご期待!
世間はすっかり夏です。
ようやく時間が出来て、調子の悪かったパソコンも復調しました。
すぐ更新します。
もはやブログではなく簡易ホームページと言い訳しています
